自作er(ジサカー)なら1度は耳にしたことがあるであろう、スッポン
スッポン現象は主にRyzen CPUで発生する恐怖の現象で、ピン折れ・ソケット破損といった、PCが起動しなくなる重大な故障に繋がります。
そんな恐怖のスッポン現象ですが、外す前に一工夫すれば回避できる可能性が高まります。
本稿では、恐怖のスッポンを回避・防止できる外し方を紹介しますので、参考にしていただけると幸いです。
スッポンとは
スッポンとは、CPUクーラーを外した際に CPUクーラーと共にCPUまで抜けてしまう現象です。
主な原因は、CPUとCPUクーラー間のグリスの固着。
長期間の使用により、グリスでCPUとクーラーが接着剤で接着されたようになってしまいます。
その状態で迂闊にCPUクーラーを外してしまうと、CPUまで一緒に抜けてしまう 通称:スッポンが起きます。
そもそもAM5ソケット以前の貧弱なレバーを爪でとめているだけの機構が悪い気がしますが・・・Intelみたいにカバーで覆えばいいのにと思っていたらAM5ソケットで改善されましたね。もうAMDのスッポンを聞かなくなる日も近いかも。
スッポン対策
スッポン対策として一番有名な手法は「スッポン対策ソケット」をマザーボートに装着することです。
スッポン対策ソケットは500円程度と低価格なので是非導入したいところですが、本稿ではなるべく費用をかけずにスッポンを防止・回避できる方法を紹介していこうと思います。
それでは、以下に費用をかけずにスッポンを回避・防止する方法を紹介しますので、参考にしてみてください。
手順
Cinebench、CPU-Z、動画エンコード等でCPUに負荷をかけ、CPUの温度を上げます。(スッポン原因のグリス固着を無くすには、温めるのが一番!!)
CPU温度を上げることで固着したグリスが柔らかくなりますので、温かいうちに電源を切ります。
続いて、CPUクーラーを外す作業に移ります。
CPUクーラーを外す作業には注意が必要で、留め金具(ロック)を外す時は、上からCPUクーラーをCPU側に押さえつけながら留め金具(ロック)を外してください。
虎徹やAk400などのネジ式タイプのCPUクーラーの場合は、上から押さえつけながら「左右交互均等」にゆっくりネジを緩めていきます。
ここでしっかりCPUクーラー押さえていないと、止め金具を外した瞬間・ネジを緩めた瞬間ににクーラーがポンッと外れる可能性があります。スッポンする場合は大体ここでスッポンする可能性が非常に高いです。
留め金具やネジが外れた・緩んだ後は、CPUクーラーを上側から押さえながら左右にグリグリして、ゆっくり横にスライドさせるように外します。(グリスがどこかしらに付着する可能性はありますが、スッポンするよかはマシです)
左右にグリグリできていれば、CPUクーラーとCPUの融着は無くなっているのでスッポンすることなく外せます。グリグリしようとしてもビクともしない場合はスッポンする可能性が高いです。
慌てず留め金具やネジを戻して、もう一度ベンチマークなどでCPUを温めることを推奨します。
上記の作業は1人作業だと結構大変です。手伝ってくれる人がいる場合は「押さえる役」と「ロックやネジを解除・緩める役」で分担すると、よりスッポンの危険を回避することができるので、おすすめです。
1.Cinebenchとは、Maxon Computer社が無料で提供しているCPUベンチマークソフトです。
2.CPU-Zとは、CPUのクロック・型式やコア数などの情報を確認できるアプリケーションです。
Cinebenchの使い方
CPU-Z 負荷テスト(Bench項目参照)
スッポンしにくい高性能グリス
スッポンの原因はグリスの固着によるものが大きいです。
特に、CPUに付属しているリテールクーラーに付属しているグリスは、固く固着しやすい傾向です。
固着してしまうとスッポンしますので、CPUに塗るグリスは柔らかく・固着しにくいグリスを選ぶのがスッポン対策として高い効果があります。
柔らかいグリスだとMX-4やSMZ-01Rあたりが価格も安く、塗りやすく温度も冷えるグリスです。
特にSMZ-01Rは、アマゾンレビューでも「スッポンしにくい!」と書かれているグリスなのでおすすめです。
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